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心の栄養モロモロ
尋常ではなく忙しいけれど、そこは気合いで乗り切って、あちこち出歩いています。忙しさにかまけて部屋に籠っていたら、心が乾涸びてしまうから。外からの素敵な刺激を受けると元気になります。最近の心の栄養、つまりは出かけた催しモロモロです。

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27日は高円寺にあるR座読書館で開催された、鳩山郁子さんの新刊『ダゲレオタイピスト』のサイン会へ。会場となったR座読書館の存在は鳩山さんのこのサイン会で初めて知ったのだけれど、ものすごく好みの喫茶店でした!一人で静かに本を読むために通うことになりそうです。一人一人の机があって、水槽の中でゆらゆら魚が泳いでいて、本の密度が心地よい不思議な図書館みたい。中央線沿線のお気に入り喫茶店がまた一つ増えました。

昨日はカメラを忘れてしまったので、テキストだけ。日本近代文学館で開催されたシンポジウム、尾崎翠の新世紀に出かける。映画「こほろぎ嬢」の上演の他、池内紀の講演、吉野朔実などがパネリストとして参加するディスカッションなど盛りだくさんな内容でした。1時間半は長いかも…と失礼ながら思っていた池内氏のお話がとても面白く、またお話上手で時間があっという間で充実感。思わずメモを取りながら聞き入っていました。パネルディスカッションでは、私見では吉野朔実氏の独断場。指摘の鋭さ、そして話し振りが群を抜いて際立っていました。吉野さんの漫画から彼女の思考、そして深い人間洞察は存分に伝わってきたけれど、トークで聴いても改めて素晴らしかったです。元々吉野さんの漫画は大好きだったけれど、ますますファンになりました。島根の観光局と組んだイベントで、会場で配られた資料の中に島根のパンフレットがたくさん入っていた。島根そして鳥取砂丘はずっと前から行きたいと思っていた場所だった(たぶん日野啓三の『砂丘が動くように』の影響)。尾崎翠が生まれ、上京と挫折の帰還の往復運動を幾度も繰り返し(この日はこの往復運動が何度も話題になっていた)、さらに長い後半生を過ごした場所、島根。ここもきっと、数年のうちに訪れる場所だと思います。

シンポジウムの後はBunkamura Galleryで開催されている「山本六三展 ー聖なるエロス−」へ。以前スパンアートギャラリーで開催された山本六三展に出かけたことがあるが、その時もよりもずっと内容が充実している印象。私は山本の油彩が特に好きなので、油彩作品が多数展示されていたのがうれしかった。個人的な好みで言えば、油彩では「砂の上のヘルマフロディトス」と「スフィンクス」、エッチングでは吉田一穂の「白鳥」関係、そして鉛筆画では「眠れる少女」だったか「眠る少女」だか、息を飲むほど繊細な繊細タッチで描かれた、長椅子の上をしどけない姿で眠る美しい少女の姿が忘れられない。図録があってぜひとも欲しいと思ったのだが、生憎品切れだったので予約申し込みをし、後日手元に届く予定。時間があまりなくてかなり慌ただしく見回ってしまったところがあるので、印刷物とはいえ図録が届いたら改めて家でじっくり作品を眺めてみようと思っている。

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映像刺激。3月27日に発売となった、クエイ兄弟の待望の「ショート・フォルム・コレクション」。ようやくクエイ兄弟の「ストリート・オブ・クロコダイル」がDVD化ですよ…。長かったわ、ここまで。去年はサラ・ムーンのミシシッピー・ワンも写真集とセットとはいえDVD化されたし、かつてビデオで見て長らく手元になかった映像がDVDになって買えるようになったのがとてもとてもうれしい。クエイ兄弟は「ストリート・オブ・クロコダイル」が何より好き。この映像、そして世界観。左は映画創世記短編集で、ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」と「日食」、さらにハンス・リヒターの「午後の幽霊」、ヴィキング・エッゲリング「対角線交響曲」が収録されている。このあたりの映像はネットでも簡単に見ることができるけれど、資料として手元にがっちりキープしておきたかったのでDVDを購入。

今日はこれから弥生美術館と庭園美術館をハシゴです。ウィリアム・モリスの展示も4月5日で終わってしまうから、こちらも行かなければ!
by yuriha_ephemera | 2009-03-29 10:16 | 本・映画・アート
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