一箱古本市2010出品本リスト*1
・川本三郎『マイ・バック・ページ』(河出書房新社)…『朝日ジャーナル』記者時代の逮捕劇を綴った自伝的な本。2011年に妻夫木聡と松山ケンイチの主演で映画化され、2011年に公開予定です。

・川本恵子『ファッション主義』(ちくまぶっくす)…2008年に亡くなられた川本三郎氏の妻、恵子さんはファッション評論家でした。今年、川本三郎の『いまも、君を想う』という追想記が発売されたことから選んだ一冊。

・鹿島茂『明日は舞踏会』(作品社)…バルザックの『二人の若妻の手記』を手がかりにみる女性版ビルディング・ロマンス。本に多数収録されたカラーのファッションプレートも美しい。

・リュディガー・シトーイ『きゅうすいとうのくじら』(至光社)… ハンブルグにある古い給水塔で起きた不思議で心あたたまるメルヘン。

・池内紀『西洋温泉事情』(鹿島出版会)…ヨーロッパを中心に、トルコや東欧、ソ連、アイスランドまでの温泉をめぐる本。図版も多くて楽しいです。

・松山巌『手の孤独、手の力』(中央公論社)…「あなたは天の川を見たことがあるか 孤独と友情、言葉ともの、身体感覚…私たちが見失ってしまった”小さな世界”を取り戻し、幽かな光を見るために」

・『世界の切手』(集英社)…昭和41年発行の切手本。鳥、動物、昆虫、船、航空、天体。宇宙など、テーマ別に並べられた切手を眺めるのが楽しいです。

・『朝香宮邸のアール・デコ』…現在庭園美術館として利用されている朝香宮邸は素敵なアール・デコの建物。庭園美術館は企画も粒ぞろいで好きな美術館です。今開催中の香水展は初日に行きました。

・早川茉莉編/城夏子『また杏色の靴をはこう』(河出書房新社)…「17歳のエキスがたっぷり詰まったときめきの小筐」。老人ホーム暮らしを選び、年老いないみずみずしい感性で綴られた城夏子のエッセンスを味わえる一冊。

・チェット・レイモ『夜の魂 天文学逍遥』(工作舎)…「”博物学をモチーフにする、もっともすぐれた現代作家のひとり”と評される気鋭の天文・物理学者による活字のプラネタリウム」

・荒俣宏『パラノイア創造史』(ちくま書房)…文庫ではなく単行本をセレクトしたのがこだわりです。悪魔の肖像を描いた画家、地球を割ろうとした男、偉大なる記憶力の持ち主、新文字を発明した人々、二つの人格を往復した男―。過剰なる夢想と偏執の果てに何ものかを見出し、われわれに別世界の訪れを予感させる古今東西の幻視者たち」。

・『奇妙な果実 ビリー・ホリデイ自伝』(晶文社)…ビリー・ホリデイの唄う「Strange Fruits」、「奇妙な果実」とは木にぶら下げられた黒人の死体。リンチ、人種差別。今年行われたPlastic Treeの「Strange fruits‐奇妙な果実‐15周年・追懐公演」に想いを馳せながら選んだ一冊。

・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ全集2 回想のシャーロック・ホームズ』パシフィカ…シャーロック・ホームズは今年ロバート・ダウニー・Jr.とジュード・ロウで映画化されましたね(私はまだ見ていませんが)。1977年に発行されたパシフィカ版による一冊。

・ブラザー・クエイ『ストリート・オブ・クロコダイル』…大好きなクエイ兄弟によるフィルム「ストリート・オブ・クロコダイル」の映画パンフレット。部屋で繰り返しDVDを見ています。

・『世界大地球儀 リーダーズ ダイジェスト』(日本リーダーズダイジェスト社)…昭和48年発行。おそらく販売された地球儀の付録としてついていたものだと思います。布ばりの素朴な手触りの表紙もいい感じです。

・新潮社編『香りの記憶』(新潮社)…香りをテーマとしたエッセイのアンソロジー。香り、そして記憶は私の永遠のテーマかもしれません。装幀は北川健次。

・田村隆一編『この金色の不定形な液体』(新潮社)…田村隆一が編んだお酒のアンソロジー。「楽しみと冒険」シリーズの第四冊。是非頁をめくりながら一杯。

・小松左京『はみだし生物学』平凡社…小松左京による生物とSF的世界の融合。長尾みのるの挿絵がよい味を出しています。

・北杜夫『どくとるマンボウ昆虫記』金の星社…私の中で辻邦夫と北杜夫は旧制松本高校仲間としてカテゴリされています。数ある北杜夫の本の中で何にしようか迷って今年は昆虫を。去年は「少年」でした。

・『昭和モダンの器たち』平凡社コロナブックス…コロナブックスの一冊。「昭和30年代のノスタルジックなテーブルウエア。東京タワーが出来て、ナボリタンが御馳走だった頃、家庭の食卓を飾ったガラス器、洋食器、ホーロー、アルミ製品など。」

・吉田直哉『透きとおった迷宮』(文芸春秋)…「海図のない同時代。すべて見透せるようでいて、さだかならぬ”現在”という迷路。NHKの名ディレクターがおくるとっておきの迷宮案内」

・ジーン・ポーター 村岡花子訳『リンバロストの乙女』(角川文庫)…氷室冴子の本を通じて知った小説『リンバロストの乙女』。少女エルノラ、そして何より小説に描き込まれたリンバロストの自然の描写が美しい、博物学的なまなざしを感じる少女小説。

・今田美奈子『おかしなお菓子』(角川文庫)…「バスクのベレー帽」「ねまきを着たりんご」「錠前屋の少年と洗濯屋の娘」「小さなアコーディオン」etc…。ユーモラスなお菓子を通じてみるヨーロッパ文化史。

・熊井明子『愛のポプリ』(講談社文庫)…ポプリはどこか懐かしい気持ちを呼び起こします。作らなくても本の頁から香りが立ち上ってくるようで、ついつい本を開いてしまいます。同じ著者の『私の部屋のポプリ』は名エッセイです。

・小野二郎『紅茶を受皿で イギリス民衆芸術覚書』(晶文社)…晶文社の本が好きだったので、文芸編集部門が閉鎖されたのはとても残念でした。プディング、ケーキ、蜂蜜酒、ワイン、注器、陶器人形、版画、ちらし、絵本、壁紙、意思、樹木、庭園など、英国の生活芸術を掘り起こす一冊。

・山崎佳代子『薔薇、見知らぬ国』(書肆山田)…表紙に惹かれて買い求めた詩集。弾薬箱、時計部品。連作「夢の通り七番地」は須賀敦子の死を悼んで書かれた作品。

・夢枕獏・作/たむらしげる・絵『羊の宇宙』(講談社)…羊、そして宇宙と私の好きな要素がタイトルに入っています。老物理学者と羊飼いの少年の形而上学的な対話。

・佐々木丸美『雪の断章』(ブッキング)…よみがえった佐々木丸美の本。鮮烈なデビュー作『雪の断章』をセレクトしました。雪の札幌、そして少女と愛。

・岡田斗司夫『二十世紀の最後の夜に』(講談社)…「どうしてだろう。待ちに待った未来が、こんなに涙でにじむなんて」。ロケット、未来、少年。「僕の銀色のロケットはどこへ行ったんだろう?」

・吉屋信子『あの道この道』(国書刊行会)…『少女倶楽部』に連載された吉屋信子の少女小説。富豪の娘と漁師の娘、すりかえられた少女二人の運命は…?

・大竹昭子文/写真『須賀敦子のヴェネツィア』…須賀敦子とヴェネツィア、それを辿る大竹昭子の写真と文。『図鑑少年』で出会った大竹さんの最近の活動<カタリココ>にも注目しています。

・富士正晴『贋・久坂葉子伝』冬樹社…講談社学芸文庫で文庫化されていますが冬樹社の方で。久坂葉子については久世光彦の本を通じて知りました。久坂葉子はドミノのお告げ』は1950年の芥川賞候補となり、21歳で鉄道自殺を遂げた美貌の女性作家。

・松岡正剛『同色対談 色っぽい人々』淡交社…松岡正剛による対談集。山口小夜子をはじめ、豪華ゲストと語る「同色対談」。

・荒俣宏序文・松田行正編著『絶景万物図鑑』TBSブリタニカ…1988年発行。剥製によるジオラマ、第2次大戦後の戦争、ヒンデルブルグ、流行語、月面地図、タルホ、エッフェル塔、サイバーパンク、地球崩壊、ユートピアetc…

・現代思想『現代思想の109人』青土社…現代思想の臨時増刊総特集。初版は1978年発行で出品するのは1991年の14刷。なにげに長く売れ続けているのですね。

・長田ノオト『少年幻想ロマネスク綺譚 実験王』東京三世社…「少年少女を狙う怪人実験王!戦うは我らの少年探偵団!!長田ノオトの初期探漫画をご覧あれ!」

・原口統三『二十歳のエチュード』光芒社…「二十歳の未遂者が現代に託す永遠のメッセージ!」若き仏文学徒が遺した手記。ふと気がつくと毎回自殺者の手記やノートを一冊セレクトしている気がします。

・蜷川実花『Sugar and Spice』河出書房新社…蜷川実花のガールズフォト。田辺あゆみ、高橋マリ子、清川あさみをはじめ、65人を写したポートレート集。

・如月小春『如月小春ジュニアシアター1 DOLL/トロイメライ』新宿書房…自殺する5人の少女たちを描いた「DOLL」、そして夢のような物語「トロイメライ」。表紙のイラストは大島弓子。

・『図説=科学の歴史9 電気の歴史』恒文社…昭和41年発行。図説=科学の歴史シリーズの一冊。イラストと写真、適度にシュールな雰囲気が漂うところがお気に入り。

・『さよなら ナム・ジュン・パイク』ワタリウム美術館…2006年にワタリウム美術館で開催されたナム・ジュン・パイクの追悼展覧会にて購入。ビデオアート、メディアを駆使した知的なその軌跡。

・マルセル・パニョル『マルセルのお城』評論社文庫…映画「マルセルの夏」「マルセルのお城」は少年映画の定番です。少年と夏休み、そしてやがて訪れる自由な日々の終焉。

・ローラ・インガルス・ワイルダー『大きな森の小さな家』講談社文庫…大草原の小さな家シリーズの1冊目、「大きな森の小さな家」。アメリカに暮らしていた幼年期、英語で読んだ作品として個人的に思い出深い一冊。アメリカの開拓者の生活、丸太で作った小さな家、ローラ・メアリー・キャリーの三人姉妹。

・瀬尾七重『銀の糸あみもの店』講談社文庫…かつての講談社文庫は日本の児童文学ファンタジーの本が多く、今でも古本で見かけるとついつい買ってしまいます。「斬新で都会的なファンタジー短編を11話収録。」

・戸板康二『元禄小袖からミニ・スカートまで 日本のファッション300年絵巻』サンケイドラマブックス…日本の女性の装いの300年を概括した本。活字とヴィジュアル、双方で楽しめます。

・寮美千子『ほしがうたってる』思索社…『ノスタルギガンテス』『小惑星美術館』などで知らせる寮美千子の絵本。「星もくじらも銀河もチョコレートもうたってる。百数十億年のむかしから、じっとうたいつづけている。かすかな電波で。」野辺山電波天文台十周年記念出版

・北原童夢『ボンデージ進化論』青弓社…拘束の美学/身体のパーツ学/変容する身体

・『新潮美術文庫49 デュシャン』新潮社…マルセル・デュシャン、「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」。コンパクトな一冊ながらデュシャンの作品を追える内容。

・戸田盛和エッセイ集1『おもちゃと金平糖』岩波書店…物理学者のエッセイというと世間一般的には寺田寅彦でしょうが、少し捻ってこちらをセレクト。

・北原白秋『抒情小曲集 思ひ出』…復刻本。叙情詩はもちろんのこと、トランプをモチーフにした函のデザインなども気に入っています。

・長野まゆみ『天然理科少年』(角川書店)
最近twitterで長野まゆみbotをフォローし、彼女の作品のテキストをTL上で流し読みするのが日々の楽しみとなっています。10代の私にいろいろ素敵なことを教えてくれた「セレクトショップ」な存在の作家。
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by yuriha_ephemera | 2010-10-07 13:31 | 活動の記録 | Comments(2)
Commented by 宇宙ステーション at 2010-11-12 02:03 x
出品リスト1についてです。

荒俣宏『パラノイア創造史』(ちくま書房)の「地球を割る男」は凄いの一言でした。

「女の子の髪の毛の匂いってなんでいい匂いがするんだろう」っていうのは男性のとって素朴な永遠のテーマかもしれませんね。今まで生きてきた中で10回以上は聞いています(笑)

ブルーノ・シュルツの幼い頃の純粋な私はどこにいってしまったのかというのは誰もが一度も感じることかもしれませんね。ジプリの『耳をすませば』を見て落ち込んだってネットの書き込みが結構ありますし。

寮美千子は全般的に好きな作品が多いです。

リュディガー・シトーイ『きゅうすいとうのくじら』は私も好きです。

未読の中では熊井明子の『愛のポプリ』が惹かれるました。花好きには気になる作品です。今度、読んでみます。
Commented by yuriha_ephemera at 2010-11-14 00:44
『愛のポプリ』は適度に実践的で、なおかつ読み物としても甘やかな夢を見せてくれるので気に入っています。
私はポプリやハーブなど香りものが好きなのですが、最近は飲み物として摂取できるハーブにばかり関心が行き、なんとなく「夢みる力」が落ちている己を恥じています(笑)。
あと男性って本当に髪の毛の匂い(シャンプーの匂い?)が好きですよね〜。なんなんでしょ、あれ。永遠の謎です(笑)。
香りと記憶の関係性は自分の関心の一つなので、これからもゆるやかに淡く追いかけていきたいです。
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