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加藤まさをのお手紙展
10月30日から点滴堂にて開催している大正・乙女デザイン研究所企画「加藤まさをのお手紙展」。ずっとご紹介しなくてはと思いつつ仕事に追われてブログを更新するのが会期終了間際になってしまいました。こちらの企画について少し説明をしつつ、会場に並んでいる資料をご紹介したいと思います。

まずは最初に前口上を。「加藤まさをのお手紙展」の企画は大正・乙女デザイン研究所の山田俊幸先生の資料を中心に、企画・構成・資料提供を小林・嵯峨の二人で行いました。このブログでは好きなお洋服の話、そして最近ではアクセサリー活動についてしか書いていませんが、私の表の顔は社会学専攻の研究者で、日本近代文化や少女文化などの研究をしています。創作は少年、研究は少女を糸口にしつつ、私なりのやり方で少年少女についたり表現できないかとずっと考えていました。今までは創作側から少年にアプローチする活動が多かったのですが、今回は初めて少女をキーワードに研究者仕事を展示としてアウトプットできました。もちろん私一人で行った企画ではありませんが、そういう意味で個人的には非常に思い出に残る企画になると思います。

手紙というのは創作でも好きで切手や便箋、シーリングワックスなどをモチーフにしていました。少女たちの手紙の世界、それも現物を多数展示するというのはなかなかない機会で、小さなテーマながら面白い資料が会場に並んでいます。

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「加藤まさをのお手紙展」会場風景。会場の点滴堂とまさをの抒情性が合わさり、ロマンティックな雰囲気になりました。

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こちらは京都で開催された「加藤まさをの乙女デザイン展」のパンフレットです。研究所のメンバーで京都の展覧会を見に行った事がこの企画が立ち上がったきっかけの一つでした。東京には巡回しなかったので、加藤まさをを紹介しつつ、また違った切り口で取り上げたいというのが企画の背景にあります。

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今回の目玉であるシーリングスタンプ。今まで封筒や便箋が紹介される事はありましたが、シーリングスタンプは抜け落ちていたと思います。小林さんコレクションのこちらはさまざまなデザインで、エンボスがなされていたりと凝った作りです。写真を撮りそびれてしまいましたが、こうしたシーリングスタンプをはじめ封筒、そして手紙も多数展示しています。

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まさをが装丁を手がけた『鈴蘭のたより』と『クローヴァー』。当時は手紙のお手本も多数出版されていて、こちらはペン習字の練習帳も兼ねているのか便箋形式になっていてデザイン的にも面白いです。
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まさをデザインの便箋。こうやってみると当時の便箋はただ単なる実用品に留まらず、絵画や音楽をはじめある種の文化や教養を伝えるアイテムだったのかなと思えてきます。このあたりについてはもっと考えたいところです。


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少女小説や少女雑誌の付録、手芸や唱歌、そして私のコレクションである少女雑誌。他にも高等女学校の作文教科書や作文指南書なども展示されています。資料のほとんどは手に取ってご覧いただけるようになっています。今回ブログでご紹介できた資料は展示品のごく一部です。残り二日となりましたが、週末は多くの方に展示をご覧いただけるよう願っています。

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期間:2013.10.30(水) - 11.10(日)
※月曜・火曜 定休
時間:12:30~21:00

場所:BOOKS & GALLERY cafe 点滴堂
三鷹駅 北口 歩いて5分(→ access )


大正・乙女デザイン研究所所蔵の資料をもとに、
抒情画家 加藤まさをの仕事、
そしてまさをデザインの便箋をはじめ、少女たちのお手紙文化を紹介します。

便箋や封筒、絵葉書、少女雑誌や手紙の書き方本…。

大正・昭和期の少女文化に一時代を築いた加藤まさをと
少女たちのロマンティックな世界をお楽しみ下さい。
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by yuriha_ephemera | 2013-11-08 21:19 | 活動の記録
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