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ルナリカ17月洋装店「少年閲覧室」書籍リスト
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ルナリカ17月洋装店の「少年閲覧室」に並べた由里葉セレクトによる25冊の書籍リスト。重なる部分もありますが、ゆるやかにファッション系、そして少年文化系の二つのカテゴリに分類しました。会場で手に取っていただいた時、どういう意図で選ばれた本なのかをお知らせするために一つ一つコメントカードをつけて並べましたのがささやかなこだわり。本のタイトルの下についているのがコメントカードの文章です。

★ファッション系
・馬場啓一『ブリティッシュ・アイビーグライフィティ』
アメリカ頭部の名門大学のカレッジ・ファッションアイビー。そのなかでブリティッシュ・アイビーをテーマにしてさまざまなアイテムを紹介するカタログ的な一冊。英国や紳士服の世界には少年装のヒントがいろいろあるように思います。

・『1999年の夏休み』パンフレット
1988年、金子修介監督作品。少女が少年の格好をする事、また靴下留めを使うなど現在の少年装に大きな影響を与えている作品。個人的には懐古的な洋館のなかの近未来的なガジェット機械など、風景として楽しみたい作品。

・『さよなら子供たち』パンフレット
1987年、ルイ・マル監督作品。フランスがナチス・ドイツの占領下にあった1944年という重いテーマがありつつ、寄宿舎の少年たちのファッション、そして凍てついた冬の空気を切り取った映像美が忘れられない名作。

・鳩山郁子『リテレール』
鳩山郁子さんの漫画は私にとって少年、そして少年服のバイブル。今回はあえて画集をセレクト。美麗なイラストと文学趣味に溢れた一冊。

・ドアノー写真集『子どもたち』
パリ、およびその周辺地区を撮り続けた写真家ドアノーの子どもを被写体にした写真集。富裕層ではない少年や子どもたちの生活やファッションが切り取られている一冊。素朴な少年服も私はすごく好きです。

・伴田良輔構成『KIDS!』
著名人の子ども時代の写真を集めた一冊。クラシカルなファッションを楽しむもよし、後年からは想像もつかない愛らしい子ども時代を愛でるもよし。長野まゆみのエッセイ「レンズの少年」も収録。

・坂井妙子『アリスの服が着たい』
ヴィクトリア朝児童文学と子ども服の誕生を論じた本。第四章では小公子スタイルのフォントルロイ・スーツ、また第五章ではセーラー服など、少年服の歴史がわかる興味深い一冊。

・鴨沢祐仁『クシー君のピカビアな夜』
岩手出身の漫画家・イラストレーター鴨沢祐仁の描くクシー君の姿は私の好きな少年表象の一つ。宮沢賢治と稲垣足穂のエッセンスを取り入れつつ、独自のクシーワールドを構築。ファッションセンスの背景に実家が洋服の仕立屋(テーラー)だったことも影響しているのでしょうか。

・『ウィーン少年合唱団』
ボーイソプラノとの出会いはウィーン少年合唱団でした。その儚い世界と声の美しさはもちろん、セーラーや制服好きという意味でも私に大きな影響を与えています。1969年発行の本で、古きよき少年たちの姿が閉じ込められた一冊。

・遊佐未森『モザイクな日々』
空耳時代の遊佐未森の世界には大きな影響を受けています。不思議なシルエットや帽子、女性性と少年性が共存する雰囲気の彼女が「僕」と歌う。アートワークを含めて物語的な世界を完璧に作り上げていました。

・『ANTHONY GOICOLEA』
トラッドなファッションを身につけた自らを被写体にしたアート作品集。寄宿舎で繰り広げられる少年世界はフォコン的であり、また性や暴力が噴出する残虐性も内在する。この人のトラッドアイテムのセンスはすごく好きで、ディテールを眺めるのも楽しいです。

・『Plastic Treeスクラップブック』
初期Plastic Treeの雑誌切り抜きファイル。黒髪おかっぱ半ズボン時代の有村竜太朗のファッションからガブリエルチェルシーなどを知りました。懐かしき90年代プラの姿がいろいろ入っています。

★少年文化系
・BERNARD FAUCON『SUMMER CAMP』
ベルナール・フォコンの写真集。マネキン人形と少年を並べ、少年期の郷愁を永遠にフィルムに焼き付けた一冊。どこかに漂ういかがわしさも大きな魅力。

・松本隆小説・安珠写真『サーカスの少年』
サーカスというのは自分にとって永遠のテーマの一つです。キグレサーカスで撮影を行った幻想譚。「少年は飛翔し、墜落する。」サーカスの少年役は大沢健、少女は鷲尾いさ子。

・『スコープ少年の不思議な旅』
文 巌谷國士 作品 桑原弘明
小さなスコープの中に広がるあの風景を一度見たら忘れられない。極小のパーツは驚異的な緻密さで作り上げられ、覗き込む者の心を奪う。テキストと合わせて、イマジネーションの不思議な旅へと誘ってくれる一冊。

・長野まゆみ『夜間飛行』
数多ある長野作品から何を選ぼうか迷った末にこの一冊を。コーネルやデルヴォーなどを初めて知ったのはこの本。長野まゆみは私にとって少年世界を知るカタログでした。

・稲垣足穂『少年読本』
タルホからも何か一冊選ぼうと思い、タイトル的にもこれをセレクト。「少年愛は自己自身の理想像への憧憬である。」「中性的なものに惹かれるのは原型へのノスタルジーである。」

・夜想15『特集 少年』
少年をテーマに思考する時、私自身はついつい少女趣味的な観点から「少年」を捉えてしまいます。こちらは男性的なまなざしを感じさせる少年特集。

・あがた森魚『菫礼礼少年主義宣言』
少年性を失う事なく大人になった男性が好きです。あがた森魚もそんな一人。「すみれと星々を愛し、すみれと星々を憎み、二〇世紀の終わりに生きたすべての少年たちに贈る待望のエッセー集」。

・鈴木秀ヲ『pater noster 少年の科學』
机上の理科室。少年が見る科学の夢。静謐でオブジェ的な鈴木秀ヲのモノクロ写真。

・『カンパネルラ 機械仕掛けの少年の魔法の角笛』
文・天沼春樹 画・七戸優 
硬質で幾何学的なテキストと絵の美しき融合。黒曜石の瞳を持つ、永遠のオブジェとしての少年。

・竹宮恵子『鏡の国の少年たち』
竹宮恵子による少年カタログ。愛した文学や映画、少年合唱団など。

・『ジョゼフ・コーネル展』
1992年に滋賀県立近代美術館で開催されたジョゼフ・コーネル展の今となっては貴重なカタログ(チラシ付き)。コーネルの箱、その小宇宙。

・『地球に咲くものたち 小林健二氏の鉱物標本室から』
2005年に岩手の「石と賢治のミュージアム」で開催された企画のカタログで、美しい鉱物写真が並ぶ。小林健二氏のアート作品は工作少年・理科少年の好奇心の結晶。

・高橋康雄『少年小説の世界』
私の本業(研究)の専門に近い領域から一冊。夢とロマンに溢れ、近代日本の少年たちを熱狂させた少年小説を紹介した一冊。
by yuriha_ephemera | 2014-05-26 22:55 | 活動の記録
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