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薄水青、蜻蛉のような
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秋物秋物と浮かれていますが、世間は真夏なわけでして…。秋物を引き取っても、毎度のごとくしばらくタンスの中で眠らせておくのだろうなぁ。今頃になって、2月3月に引き取った春物の一部がようやく活躍していることにたまに切なさを覚えます。季節の先取りしすぎも、あまり楽しくない。

さて、今日紹介するのは今の季節にぴったりのアイテム。Jane Marpe2006年春物のカゴバッグです。色展開はブラック・ピンク・サックスでした。ブラックは一番合わせやすそうだけど黒と麦わら配色のカゴバッグはもう持っているし、買うとしたらピンクかサックス。ピンクもすごくかわいかったのですが、私ならサックスかなとこちらの色にしました。大きく結ばれたギンガムチェックのリボンがアクセントになって、とてもキュートです。おまけにこのバッグは大きいから荷物もたっぷり入ります。A4ファイルもいける(これは横には無理で縦に無理矢理突っ込むから多少見苦しくなりますけど)。大きいだけではなく、持ち手がしっかり留めてあるのが重い荷物を抱えて歩く私にとっては大変ありがたいです。Janeの商品ってたまにこういうところがすごくいい加減だからさー。大きいくせに持ち手が弱すぎなバッグとか、私にとっては実用に耐えません。そういうわけで、かわいくて実用的なこのバッグは毎日ガシガシ使っています。大活躍中。

バッグにふんわりと結ばれた水色のリボンを眺めていたら、長野まゆみさんの『野ばら』の一節が頭に浮かびました。濃紺の服に身を包んだ美しい少年黒蜜糖は、胸元に薄水青(この表現も素敵)のリボンを結んでいるのです。そのコントラストが鮮やかで、はっとした描写でした。『野ばら』、久しぶりに再読しようかな。

*「今夜の劇はどんなだと思う。」
隣に腰掛けた少年が親し気に声を掛けてきた。その少年は蜻蛉のような薄水青の大きなリボンを結んだ濃紺の服に身を包み、磨きあげた林檎の表皮のような唇をして笑った。*
(長野まゆみ『野ばら』 河出文庫)
by yuriha_ephemera | 2006-07-27 00:33 | Jane Marple
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