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すみれの花の砂糖づけ
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先日注文した一本、ラルチザンの「VERTE VIOLETTE」が届きましたのでご紹介。私はスミレの花がとても好きです。青や紫系統のお花は基本的になんでも好きなのですが、その中でも特にスミレに惹かれます。菫と漢字で書いても美しい。しかしスミレの香り自体は、なかなか手強いものです。以前アニックグタールから出ている「La Violette」(ラ・ヴィオレット)を試したのですが、スミレのシングルノートなためかかなりパウダリーくさくてボトル買いは断念。何かよいスミレの香りはないものか…と探していた時にこれと出会いました。

香りの構成がわからないのですが、スミレをベースにしたブレンドです。特に感じられるのがベリー系の甘酸っぱさ。たぶんカシスだと思います。このベリーがブレンドされることにより、スミレ独特の匂いが中和され、なんとも言えない香りに仕上がっています。なんと表現したらいいのでしょうか、私は「スミレの花の砂糖づけ」という言葉がふと頭に思い浮かびました。かわいらしくて、でも甘ったるくない、涼やかな青いスミレ。実は購入する前までは、もっと大人っぽい香りかと思っていました。でも、そんなことはなかったですね。決して子供っぽくはない。でも少女性のある香りだと思いました。ベリーの甘酸っぱさがあるせいか今の季節でも全く大丈夫で、最近は毎日こればかり使っています。非常にお気に入りの一本です。私は、トップのやや化粧くさく粉っぽい香りが飛んでベリーとスミレのハーモニーが絶妙なバランスを醸し出すミドルノートが一番好みかな。

ちなみにエントリーのタイトルは江國香織さんの詩集から取りました。借用しておいてなんですが、私この本は非常に苦手でして…。タイトルや装幀は美しいなとは思いましたけど。詩の中では冒頭の作品、「すみれの花の砂糖づけをたべると 私はたちまち少女にもどる だれのものでもなかったあたし」がその中では一番好きかなと思います。江國さんは、初期作品の方が好みでしたね…。そして写真の背景に使っている本は、『暖炉の火のそばで ターシャ・テューダー手作りの世界』です。世の中のなんちゃってスローライフとは比べてはいけない、強固なまでの信念に貫かれた彼女の世界。彼女の本を眺めていると、子供の頃暮らしていたアメリカで見たアーミッシュの人々のことをふと思い出します。子供の私の目に映るあの人たちは本当に不思議で、同じアメリカの同じ時間に住んでいるとは思えませんでした。私たちと彼らの間には断絶があって、私は今ではない過去の時を見ているのではないか、と。

値上がりしたラルチザン、私は当分店舗で買うことはなく通販に頼ることになりそうです。私がよく利用しているネットショップはParis Waveです。ディスカウントを求めるには不向きのお店ですが、サービスを含め対応がとても良いしまた品物も豊富なので、おすすめです。私の好きなアニック、ラルチザン(こちらでの表記はラルティザン)、そしてセルジュ・ルタンスもここで買うことができますよ。今回注文した時もラルチザンのサンプルが二種類同封されていて、これもまたうれしかったです。ラルチザン話しが続いたので、次はアニックでも。
by yuriha_ephemera | 2006-08-03 18:38 | フレグランス
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