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Plastic Tree「ウツセミ」@C.C.Lemon*1
Plastic Tree 2008-2009冬ツアー「ウツセミ」@C.C.Lemonホール 12/27

**セットリスト**
01.ウツセミ 02.テトリス 03.ザザ降り、ザザ鳴り。 04.サイケデリズム 05.Q 06.フィクション 07.斜陽 08.Dummy Box 09.アローンアゲイン、ワンダフルワールド 10.雪蛍 11.メルト 12.バルーン 13.GEKKO OVERHEAD 14.メランコリック 15.リプレイ 16.記憶行き
ー土曜プラトゥリ劇場ー
EN1 17.Closer 18.ヘイト・レッド、ディップ・イット
EN2 19.Ghost 20.リセット

久しぶりにPlastic Treeのライヴレポを書いてみる。とは言っても、昔のようにMCまできっちり再現しようとした力の籠ったレポではなく、自分の印象を断片的に書き連ねたものだが。プラにはまった後の2年ほどはかなりみっちりとしたレポを書いていた私だが、あの頃のライヴレポに対する無駄な情熱は我ながらすごかった(笑)。今はもうそういう気力はないし、詳細なレポを書くことに対する情熱は消え失せてしまった。適度な距離を取りつつバンドを眺めているし、また日々の雑事に追われてライヴ後も必要最低限のことを書く程度の余力しか残されていない状態だ。でも今回は2008年最後のワンマンライヴだし、またとてもよい公演だったので、言葉で印象を書き留めておこうと思う。なお私のレポはメンバーに焦点を当てるよりもライヴを見て自分が何を感じたか、何を思ったかを分析的に書く傾向があります。ライヴレポというよりは、「ライヴを見て私は何を思ったか」の記録と言った方がよいかも。なのでそういうのに関心のない方にとってはあまり役立たない内容だと思います。メンバー寄りのレポをお探しの方、すみません。

先日のマイスペイベで久しぶりにライヴでよい手応えを感じ、その余韻を引きずりつつライヴに参戦した土曜日。普段の私ならネットで初日のセットリストくらいは確認するのだがそれすらせず、本当に何も知らないままに会場へと向かった。今回は同行者もいないし、久しぶりの一人きり。予備知識もなく真っ白で、それが逆に気持ちがよい。情報は何もなく、ただライヴに対するふわふわとした期待感だけがある状態。この日は本当に、プラにはまり立ての頃に似た気持ちだったかもしれない。初めてプラを見た2004年のスイトライベでよい感触を掴み、参戦した初ワンマンが東遊びツアーファイナルの横浜。「うわーヴィジュアル系のライヴに来ちゃったよ、なんかファンの格好が黒くて怖いんだけど」と内心ビクビクしながら会場に入った自分を懐かしく思い出す。バンギャに恐れをなしていた初々しい私も、気がつけば「あなたはこれからプライヴへ行くのですね」と一目でモロバレな人にまで成長を遂げてしまった。

席は二階の上手の一番端。端だがステージはちゃんと見えるし、右側に人がいない気楽さがあるし、マイペースで楽しめそうだなと席について満足する。ステージまで距離があるので全体を俯瞰して見る余裕があり、このくらいの距離感が私にはちょうどいいのだろうなと思う。近すぎもせず、離れ過ぎもしない場所からプラのことをこれからも見ていきたい。開演までの時間はステージセットを眺めて暇を潰していた。遠いし目が悪いのであまり細かい部分まで見ることはできなかったが、ステージの左右に時計のオブジェが配置されていたのが2階からでも見えた。時計の針が左右でシンメトリになるような形で止まっている。会場に流れるSEはノスタルジックな音楽。ステージに漂う気配は、どこか初期を思わせる懐かしい雰囲気だったように感じた。しかしここで上演されるのは今のPlastic Treeの音楽であり、私自身いい加減過去の幻影を求めることもない。昔のプラも好きだけど、今のプラも大好きだから。変わり続ける彼らの今を見たいから。そう思えるのも、「ウツセミ」というアルバムが出て、それがとても素晴らしかったからだろう。

開演時間を20分ほど過ぎて会場の照明が落ちる。歓声が沸き起こるなか、流れてきたのはいつものマイブラではなく硬質なメトロノームの音。「規則的な四拍子」の音に合わせて暗いステージに青のライトが灯り、メンバーが一人一人登場する。この演出はとてもかっこよく、非常に印象に残っている。ステージに鳴り響くメトロノーム、いつもの予定調和的なマイブラとは違った緊張感のある幕開けがよい。

最初の曲は予想通り「ウツセミ」。プラ的王道曲、shoegazerな音が心地よい。甘くて少しどろりと憂鬱なノイズ音は、音源で聴くよりもライヴの方がピンとくるだろうなとアルバム購入時から思っていた曲だった。今回のライヴは近年のプラにしてはVJのクオリティがかなり高かったと思う。プラのライヴでは滅多に思わないことがだが、この日は「映像がいいな」と感じた。「ウツセミ」の映像もかなり印象的だった。「ウツセミ」限定盤のジャケットのようにややサイケデリックな色彩の赤や緑が出たり、モノクロの映像に切り替わったりと、作り込んでいる。ぽとりと落ちてくる赤が絵の具のようにも血のようにも見えて、それが妙に鮮やかに瞼の裏に残った。

アルバムの流れのままに「テトリス」。この曲もアルバム時からすごく気に入っていたし、ライヴで聴いてもかっこいいなと思う。結構テンポのよい曲だが、客席はまだかなり固い。アルバムを発売して初めてのツアーだから客もノリをまだ掴んでいないというか、様子見という感じでだいぶ大人しい。NHKホールではきっと客席ももっと動くようになるのではないか。曲の冒頭で入る気の抜けた「ハイ」というかけ声を竜太朗はステージ上でもちゃんと言っていた。

3曲めは「ザザ降り、ザザ鳴り。」この曲は大好きなので、今回のツアーのセトリに入っているのがとてもうれしい。私は頭を振るのは好きだが手フリはあまり…という人なのだが、この曲では自然に腕が上がる。ザサ降り〜は本当に聴いていて気持ちのよい曲だ。きっちりロックだが全体的に透明感に溢れていて、なんと言えばよいのだろう…脆弱ではないけれどいい意味で線が細いような、少し儚い印象もある。この透明感は「プラ的叙情ロック」だなと聴くたびにいつも思ってしまう。透明できれいだから、腕を上げるのがあまり好きではない私でも自然にステージに向かって腕を伸ばしてしまう。最初の曲から比較的竜太朗の声は安定していて、よい出だしと流れだ。

(以下書きかけ、数日中にアップします)
by yuriha_ephemera | 2008-12-28 23:49 | 雑記
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