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maybe a decade ago
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先日、偶然見つけたこのコート。最初に見た時、息が止まるかと思いました。古い古い、昔のJane Marpleの面影を残しているコートです。おそらく1995年冬物の、ハート襟コート。今になってこれと出会えるとは思っていなかったので、見た時はびっくりしてしまいました。

今とは違いたっぷりしたシルエットで、中にふんわり膨らませたスカートを着込んだりするのがとても似合いそう。今より率直に言って、ロリっぽいアイテムです。今のJaneのコートはもっとタイトなシルエットで、モード性が強くなっています。20代後半という私の年齢を考えれば、今のテイストの方が断然こなしやすいです。でも昔のJaneの商品を見るとたまらなくワクワクするのは、一体なぜなのでしょう。「着れないかもしれないけど、手元に置いておきたい」、そう思って買う決心をし、コートは私のところへやってきました。

古いものなので少々黴くさかったのですが、クリーニングに出したらだいぶやわらぎました。目立った汚れや痛みもあまりなく、そこそこな状態を保っています。発売されてからの年月を考えれば、きれいな状態だと思います。値段も安かったし、掘り出し物かも。半分コレクターな気分で買ったこのコートですが、観賞用だけにするのはあまりにもったいないから、たまには羽織って出かけようかな。冬の街に、目の覚めるような鮮やかな赤とハートはきっと映えることでしょう。

1985年に立ち上げられたJane Marpleは、2005年に20周年を迎えました。だからこれは、10周年記念の年のアイテムであるわけですね。服というものが消耗品である以上、時を経るにしたがって消滅してしまうのは致し方ないことでしょう。それでも10年以上の時を経て、私の手元にやってきたこのコートのことを思うと胸が一杯になります。変わるもの、変わらないもの。永遠の少女のためのお洋服。毎日浮いたり沈んだりと冴えない感じで日々を過ごしていると、世界のすべてが灰色に見えてしまう。自信も何もかも失って、ひたすら萎縮してしまう。でもこの服を見ると、「誇り高くあれ」と鼓舞される気になってきます。Jane Marpleを身にまとうのは、私自身のため。私がそう望むから、私がそうありたいから。そのことを、忘れたくないものです。
by yuriha_ephemera | 2006-11-08 15:11 | Jane Marple
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