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札幌避暑記*1 青少年科学館
現在札幌滞在中です。札幌は、日中は暑くなることはあるものの朝晩はとても涼しくて心地がよいです。何よりさらりと乾いた空気が最高。風が通り抜けると、暑さも忘れるような清涼感が体に漂うのです。空気が軽く、本当に気持ちがいい北国の夏。というわけで、梅雨でじめじめした東京を脱出した私は束の間の休暇を満喫しています。いつも8月9月に帰っていたのですが、7月末の帰省もよいものですね。大通公園をはじめ、街中でビアガーデンが開催されており街全体がお祭り気分。北の街の夏を、久しぶりにしみじみ味わっています。

というわけで、恒例の札幌日記。今日は友人と一緒に一日出かけてきました。目的の一つは、新札幌にある青少年科学館に出かけること。青少年科学館、そしてプラネタリウムを観てきました。

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私にとって長いこと夢想の源であり、また世界に対する憧憬の根源であり続ける科学そして宇宙。科学館・博物館は何でも好きではありますが、自分の原体験とも言える場所は二つです。一つはこの青少年科学館、そしてもう一つはシカゴの博物館類。特に幼年期・思春期を過ごした札幌の青少年科学館は幾度となく通った思い出深い場所です。本物の宇宙も好きだけれど、宇宙の模型も好き。そんな私が足穂に走るのは当然といえば当然なのですが、そもそも宇宙模型なるものを意識したのは、青少年科学館のこの空間がきっかけでした。この場所が、今も変わらず当時の面影を残していてくれて本当にうれしいです。右手に見えるドームは、プラネタリウムの天球です。色が変化するこのドームがとてもきれいで、子供の頃から好きでした。

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大きく飛び出しているのは太陽のプロミネンス。実際のプロミネンスは何万メートルも吹き上がるそうですが、模型もなかなか威勢よく飛び出しています。

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3Fのロケットの中から見た2Fの展示室。スペースシップでの宇宙旅行気分。

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青少年科学館は普通の科学館同様宇宙や生命・化学などさまざまなサイエンスの展示がなされていますが、北海道ならではの特徴は中谷宇吉郎の展示があることかもしれません。世界的な雪の研究の権威である中谷宇吉郎。子供の頃はこの雪の展示にはほとんど目もくれなかったのですが、今になってみるとこちらが非常に面白くて今回はかなり熱心に見ました。写真は1936年に北大の低温室で作られた人工雪成長装置のレプリカです。二重のガラス管のなかにうさぎの毛をつるしたこの装置によって、中谷は世界で初めて自然の雪の結晶そっくりな人工雪を作ったとか。青少年科学館には世界でも珍しい人工雪を作る装置があり、それによって雪の実演も見せてくれます。見た目は単なる粉のように見えるのですが、顕微鏡で見るとまぎれもなくあの複雑繊細な雪の結晶なんですよね…。「雪は天からの手紙」という中谷の言葉を思い出します。雪の展示は一見地味ですが、とても面白いですしこの施設ならではだと思いますので、ぜひ見逃さないことをおすすめします。

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青少年科学館のプラネタリウム。最近オート番組のみを流す施設が多いなか、ここは生解説にこだわり1時間のプラネタリウムの時間のうち15分がオート、35分が生の解説員による星空解説になっています。天球の中で見るオート番組も面白いですが、私はやはり担当者の個性が出る生の星空解説がとても好きです。久しぶりに生解説を聴けてうれしかったな。現在月のそばに木星が見えるとのこと。そして、8月のペルセウス座流星群の極大は新月と重なり近年の中では最高の観測状況に恵まれているとのこと。久しぶりに夜空を見上げて星を見たくなりました。東京に住んでいるとなかなか難しいのですけれどね。

久しぶりの青少年科学館とプラネタリウム。ここで中谷宇吉郎の展示を見たこと、そして先日日本科学未来館で中谷宇吉郎の娘である中谷芙二子さんのパフォーマンスを見たことがきっかけとなり、また中谷宇吉郎の随筆を読み直そうと思いました。東京に戻ったら、本を発掘することにしましょう。
by yuriha_ephemera | 2007-07-26 22:54 | 雑記
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