岩手人のソウルフード巡り

旅行に出かけた時の楽しみの一つは、その土地のおいしいものを食べ歩くこと。カフェ好きなので京都などに出かけた時はついついカフェ巡りになってしまいますが、今回の岩手では所謂おしゃれ系ではなく、岩手人のソウルフードとも言えるものを食べ歩いてきました。これもまた濃ゆくてよかったです。まとめて紹介していきます。

まず最初はこれ。盛岡の市民食とも言われている福田パンです。コッペパンの間にさまざまな惣菜を挟んだパンは学校の購買をはじめスーパーやコンビニに卸されていて、人々におなじみのものだそうです。今回は本店に出かけて食してきました。本店では注文を取ってから作ってもらうので、パンが柔らかくふんわりしていて他よりもやはり美味しいとのことです。

今回は人気の餡マーガリンを食してきました。以前は餡バターだったようですが、このご時世バターの価格高騰によりマーガリンに変更されてしまいました。マーガリンになったことにより以前より味にコクがなくなってしまったそうで、仕方がないけど残念です。でも餡マーガリンもおいしくてよかったですよ。素朴なパンに甘い餡マーガリンがよく合います。初めて福田パンを食べたのですが、思ったよりボリュームがあり、一つでお腹が一杯になりました。価格が確か140円くらいだったから、すごくコスパがいいです。腹持ちがよくて夜になっても全然お腹が空かないなぁと思っていましたが、先ほどWikipediaで福田パンを見てみたら「中でも「あんバター」は一食で1000kcalを越えるという説もある」という記述を見てびっくり仰天。1000kcal！！！思わず「わぁ…」と口に出てしまいましたが、実際のカロリーはわからないけれどあの腹持ちの良さを考えると、やはり相当高いのではないかと。これを知ってちょっとひるみましたが（笑）、でも次に出かけてもやっぱりカロリーが高くてボリュームたっぷりなものをぺろりと平らげているだろうなと思います。盛岡人の生活にしっかり溶け込んでいる福田パン。日持ちがしないので岩手でしか食べられない味です。盛岡にお出かけの際はぜひぜひ福田パンを食してみて下さいませ。

盛岡の三大麺は冷麺、じゃじゃ麺、わんこそば。わんこそばは味自体が特殊なわけではないのでパスをして、今回は冷麺とじゃじゃ麺に挑戦してきました。まずこちらはじゃじゃ麺。元祖じゃじゃ麺の白龍（ばいろん）。お店はごく普通のこぎたない（失礼）店構え。大中小のサイズがあり、福田パン余波でお腹が空いていない私は小を注文。肉味噌を麺に混ぜて、お酢を少したらしていただきました。肉味噌はもっと肉っぽい味なのかなと思ったけれど、味噌の風味が強く出ていました。好き嫌いが多い味だと思うので万人にはお勧めできませんが、私は大丈夫でした。私はそんなに癖が強いとは思わなかったけど、肉味噌の味がダメな人にはダメなのかな。シメには生卵を割り入れてスープにするちーたんたんにしてもよいそうですが、お腹に入らず結局諦めることに。ううむ、恐るべし福田パン（笑）。

こちらは冷麺。人気のお店というぴょんぴょん舎に出かけてきました。現在一番人気のあるお店で、銀座にも店舗があるそうです。冷麺冷麺〜とうきうきしながら待っていたのですが、運ばれてきたものを見て一瞬目が点になりました。何かおかしなもの（東京人感覚）が入っていませんか？「麺の上にスイカが乗ってる。。。。。」大好きなスイカではあるけれど予想外の場所で遭遇したため動揺したのか、途中で卵を喉に詰まらせる私（笑）。スイカは辛みを中和する役割があるそうですが、そもそも辛いの好きな私にとっては特に必要がなかったかなぁ。でもスイカまで含めて（キムチの味が染み込んだスイカは摩訶不思議な味に仕上がっておりました）全部いただきました。冷麺のシコシコした味わいはとても気に入りました。また食べたいなぁ。今度友達を誘って銀座のお店に出かけてこようっと。

最後はこれ。一部の人の間では有名な花巻市上町にあるマルカンデパート大食堂。レトロを通り越して昭和な雰囲気がマニアの間では大受けというマルカンデパート大食堂に出かけて、かの有名なソフトクリームを注文してみました。見よ、この高さ。測っていないのでわかりませんが、22~3センチくらいあるのではないでしょうか。素人にはできない熟練の技術から生み出されたこの無駄な高さにシビれます。ボリュームたっぷりなソフトクリーム、そのお値段は？ななななんと、140円！安っ（笑）。この量で140円って、一体どういうことなんでしょうか…。何はともあれ、ソフトクリームをいただきましょう。お箸で食べるのが作法なので（もちろんかぶりついてもよいかと思いますが、この高さにかぶりつくのは危険ですからお箸で食べる方が現実的です）、もはや絶滅したかと思われるこの容器からお箸を取り出してせっせとソフトを食べました。アイスの味がライトでさっぱりしているので、この量でも意外にさっくり食べきることができました。そりゃそうですよね、この量でこってりだったら食べきれないですよね。

大食堂の雰囲気が伝わる写真を一枚。ここだけ昭和のまま時が止まったような、とても21世紀とは思えないような場所でした。写真は撮りませんでしたが、ウエイトレスの制服もまたレトロで余計昭和くさかったです。このご時世にこんな場所が残っているなんて…と半ば呆然としながら、ソフトクリーム塔を攻略していきました。ソフトクリーム一つでお腹がいっぱいになってしまったので他のメニューを頼めなかったのですが、機会があればぜひソフト以外にも挑戦してみたいと思っています。花巻に出かけた際は、宮澤賢治関連の施設だけ巡って満足してしまってはダメですよ。マルカンデパート大食堂もはずせないスポットの一つです。